遠心式圧縮機ユニットの振動故障分析 第1回更新
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ローターの不均衡故障 回転機械の回転する部分をローターと呼びます。ローターは、加工誤差、組立誤差、材料の不均一性、および運転中の腐食、摩耗、スケールの付着、部品の脱落などにより、偏心質量を持つ。 図2-1 回転子力学モデル 図2-1 回転する物体の力のモデル。系の質量をM、回転子の偏心質量をm、偏心距離をeとする(図2-1【14】参照)。ローターが一定の角速度ωで回転するとき、偏心質量mによって生じる遠心力F0=meω²であり、その運動方程式は次の通りである。Mx″+Cx′+Kx=meω²cosωt
My″+Cy′+Ky=meω²sinωt (2-1)
振幅X、Yは次のようになる。
X=Y= meω²/(K-Mω²)+(Cω)²
その解は次の通りである。
x=X cos(ωt-Φ)
y=Y sin(ωt-Φ) (2-2)
ここで、p=、λ=ω/p、ξ=C/2Mpとすると、
X=Y= (2-3)
位相差φは次のようになる。
tanφ=2ξλ/(1-λ²) (2-4)
式(2-3)、(2-4)は、振幅周波数特性図および位相周波数特性図(図2-2【14】)を用いて表すことができる。
図2-2 振幅周波数特性および位相周波数特性
Fig.2-2 Amplitude-frequency and Phase-frequency curves
ローターがある角速度ωで一定速度で回転し、たわみaを持つ場合、ローターが軸周りに回転すると同時に、軸もまたローターのベアリング中心を結ぶ直線周りに回転する(つまり、軸のたわみ曲線とベアリング中心を結ぶ直線が形成する平面内で回転する)。この現象を軸の進動と呼ぶ。回転子の質心運動方程式は【14】Mx”+Cx’+Kx=Meω2cosωt、My”+Cy’+Ky=Meω2sinωtである(2-5)。軸心点sのたわみは【14】によって与えられる(2-6)。上式から、λ<<1の場合、たわみaは非常に小さく、位相角Φもゼロに近い低い値となる;λ=1のとき、減衰が非常に小さい場合、たわみaは大きくなり得て、このとき位相角Φ=90°となる;λ>>1のとき、たわみaの値はeに近づき、位相角Φは180°に近づき、重心Gは固定点Oと一致する傾向にある。図2-3【14】に示されている。図2-3 ローター重心の位相変化 Fig.2-3 Phase variation of rotator centroid 図中の点線の円はローター軸心の進動軌跡を示している。回転子の進動方向は、回転子の回転方向と同じでも反対でもよく、進動角速度も軸の回転速度と等しくても等しくなくてもよい。図からわかるように、ローターの軸心の軌跡は円になっているが、実際のローターでは軸の各方向の曲げ剛性に差があり、特に支持部の剛性が方向によって異なるため、ローターが不均衡質量に対して示す応答はx方向、y方向で振幅が異なるだけでなく、位相差も90°ではない。その結果、ローターの軸心の軌跡は円ではなく楕円となる。図2-4【14】に示すように:図2-4 ローターの不均衡時の軸心軌道 Fig.2-4 A*s orbit when rotor unbalance。ローターの不均衡による振動の特徴としては、スペクトル図上で工業用周波数に顕著なピークが現れ、時には2倍周波数などの高周波成分も伴う。回転速度が変わらない限り位相は安定し、振幅は不均衡度に比例し、作動回転速度の上昇または下降に伴って増減する(臨界回転速度を超えた場合は例外)。軸心軌道は楕円形の同期正進動となる。
図2-5 ロータのずれのタイプ (a)径方向変位 (b)偏角変位 (c)総合変位
ロータの真っ直ぐな位置が保たれていない軸系では、カップリングによる力の作用によって、ロータの軸受部とベアリングの実際の位置が変わってしまいます。これによりベアリングの動作状態が変化するだけでなく、ロータ軸系の固有振動数も低下します。したがって、ロータのずれは、ロータの異常な振動やベアリングの早期損傷を引き起こす重要な原因となります。 カップリングには多くの種類があり、化学工場でよく使用されるのは歯形カップリングや剛性カップリング、柔軟性カップリングです。これらは構造的な特徴が異なるため、振動のメカニズムも異なります。 1.歯形カップリングの非同期振動メカニズム 歯形カップリングの非同期の形態は図2-6に示されている【18】。 図2-6 齒車カップリングのずれの形態 (a) 径方向変位 (b) 偏角変位 (c) 総合変位 図2-6 齒車カップリングのずれの種類 (a) 径方向変位 (b) 偏角変位 (c) 総合変位 エンジンの各ローター同士の接続に過大なずれが生じると、歯車カップリングの内側および外側の歯面の接触状態も変化する。これは図2-7【18】に示されている。 図2-7 齒車カップリングの受力状況 Fig.2-7 Force condition of gear coupling
歯面の法線方向の力は、P=Mk/dcosα (2-7)で表される。ここで、d-----カップリングの分割円直径、mm、α-----カップリングの歯圧力角、度、Mk-----カップリングが伝達するトルク、kgf·cm。 歯面の噛み合いによって生じる摩擦力による摩擦トルクは、次のように表される:MF=μ·P·d=μ·Mk/ cosα (2-8) ここで、μは摩擦係数である。中間歯車ケーシングの傾きによるトルクMTは、MT = P·b’=b·Mk·cosφ/d·cosα (2-9)となる。ここで、φは中間歯車ケーシングの傾き角、bは外歯の幅である。他の要因の影響を無視し、MFとMTが同一平面上で互いに垂直であると仮定すると、これら2つのトルクによって生じる半径方向の力は、FF=MF/tおよびFT=MT/tとなる(2-10)。ここで、tはカップリング内の中間歯車ケーシングの両端の歯の中心間距離であり、単位はmmである。軸受けが受ける追加的な半径方向の力は、FX=(2-11)となる。同様に、摩擦力の影響により、最大の追加的な軸方向の力はFYmax=μ·p=μ·MKmax/d·cosα (2-12)となる。回転子の軸線間に半径方向の変位がある場合、カップリングの中間歯車ケーシングとハーフカップリングは動く副として機能し、相対的に回転することはできない。しかし、中間歯車ケーシングとハーフカップリングは滑動しながら平面円運動を行うことができ、中間歯車ケーシングの質心は軸線の半径方向の変位量△yを直径として円運動を行う。これは図2-8【18】に示されている。カップリングの中間歯車ケーシングの回転周波数は、ローターの回転周波数の2倍であり、つまりローターが1回転する間に、中間歯車ケーシングはローターの半径方向の変位量を直径として2回の平面円運動を行う。 図2-8 ロータの半径方向変位振動
Fig.2-8 Radial displacement vibration of rotor
2つのロータの軸線に傾きが生じた場合(図2-9【18】参照)、ロータの回転角速度は【18】のようになる:
ω2=ω1cosα/(1-sin2α.cos2φ1) (2-13)
伝達比:i21= cosα/(1-sin2α.cos2φ1) (2-14)
ここで、ω1 ---- 主動ロータの回転角速度
α ---- 従動ロータの傾き角
φ1 ---- 主動ロータの回転角
図2-9 ロータの傾きによる変位振動
Fig.2-9 Declination displacement vibration of rotor
主動ロータの回転角速度ω1が一定の場合、従動ロータの回転角速度ω2は一定ではなく、傾き角αと主動ロータの回転角φ1の関数となる。φ1が0°または180°のとき、i21=1/cosαとなり最大値を示し、φ1が90°または270°のとき、i21=cosαとなり最小値を示す。これは図2-10に示されている【18】。 図2-10 伝達比i21の変化曲線 Fig.2-10 Change curve of transmission ratio i21
これにより、機械の回転子軸が傾きを持つと、その伝達比は回転子が1回転するごとに2回変動するだけでなく、傾き角αが大きくなるにつれてその変動幅も増加する。その結果、従動回転子は伝達比の変化によって生じる角加速度の影響を受けて振動を起こし、その半径方向の振動周波数も回転子の回転周波数の2倍となる。 実際の生産において、機械装置内の各ローター間の結合の真直度は、しばしば半径方向の変位と傾きのある変位が重なった複合的な変位であり、そのためローターが半径方向に振動するメカニズムは、これら両者の複合的な結果である。 また、歯形カップリングによって生じる追加の軸方向力およびローターの偏角変位の影響で、従動ローターは1回転ごとに軸方向に往復運動を1回行うため、ローターの軸方向振動の周波数は回転周波数と同じになる。 2. 刚性および挠性カップリングの非同期振動機構 刚性カップリングを用いて非同期な回転子を接続した場合、図2-11に示すように、強制的な接続によって回転子が曲げ変形し、回転子が1回転するごとにカップリングの接合面は2回相対的に移動する。したがって、その振動周波数は作動回転速度の周波数の2倍となる。そして、軸方向の振動周波数は作業周波数と同期する。柔軟なカップリングの振動メカニズムは剛性カップリングと類似しているが、1回転するごとにカップリングの各ボルトが1回ずつ伸縮する。したがって、ボルトの数が偶数Nの場合、振動周波数はN倍の周波数となり、奇数Nの場合は2N倍の周波数となる【1】。実際の機械の運転状況では、曲げ変形量の大部分が柔軟な接続部品(例えば弾性ダイアフラム)によって吸収されるため、発生する駆動力は小さく、ずれによる振動に対して比較的鈍感である。そのため、発生する振動の大きさも比較的小さい。 図2-11 ローターの不整がある場合の剛性カップリングによる接続【14】
図2-11 ローターの不整があるときの剛性カップリングの接続状態
ローターの不整による振動の特徴は【19】、すなわちスペクトル図上での半径方向の振動スペクトルは基本周波数、2倍周波数、および変調高調波から構成され、2倍周波数の高調波の振幅が大きく、これが特徴的な周波数となる。軸方向振動スペクトルは基本周波数とその高調波で構成され、基本周波数にはピークがある。回転速度が一定のとき、位相は安定して変わらない。カップリングの隣接部におけるベアリングの振動が大きく、軸心の軌跡は大円が小円を内包する形状であり、進動は同期正進動である。負荷変化に対して敏感で、負荷が増加するにつれて振動も増大する。